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 ザステイツヨコハマ207号

特許権侵害 -侵害論 2 - 2  3  4  5 6 7     PATENT INFIRNGEMENT

直接侵害(文言侵害)


文言侵害とは
文言侵害(literal infringement)とは、イ号(被告物件or方法)の構成が特許請求の範囲の文言通りである侵害をいいます。

(1) 権利一体の原則(All Elements Rule)
 Comprising型の特許請求の範囲(請求項)では、要素(構成要件)は、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
要素A:供給された用紙を巻き付けて回転するプラテンドラムと、
要素B:このプラテンドラムに巻き付けられた用紙に印字を行う印字ヘッド
    と、
要素C:この印字ヘッドで印字され上記プラテンドラムから送り出された用
    紙を挟んで回転することにより、当該用紙を排紙トレイに送り込む    一対のローラと
要素D:を具備することを特徴とするプリンタ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
のように表示できます。
 イ号が特許権を侵害しているというためには、イ号が、すべての要素A〜Dを備えていなければなりません。要素A〜Dの1つでも欠けていれば、侵害となりません。これを権利一体の原則といいます。特許法36条5項もこの点を明確にしております。

(2) 要素対比(element by element)
 イ号が要素A〜Dをすべて備えているか否かは、要素対比法によって、判断します。
 具体的には、要素A,B,C,Dにそれぞれ対応すると考えられる要素a,b,c,dを、イ号の構成要素から抽出します。
 そして、要素Aと要素a、要素Bと要素b、要素Cと要素c、要素Dと要素dをそれぞれ対比します。
 例えば、イ号の要素aが、要素Aの文言「供給された用紙を巻き付けて回転するプラテンドラム」通りである場合には、要素Aと要素aは一致し、イ号は要素Aを含むと判断します。
要素Bと要素b、要素Cと要素c、要素Dと要素dについても、同様に判断し、すべて一致する場合には、イ号は要素A〜Dのすべてを含み、権利一体の原則により、特許権を侵害していると判断します。
技術的範囲の解釈
裁判所における解釈
 上記の要素対比法によって発明の技術的範囲を決定することとなりますが、実際には、構成要素A〜Dの要素Dに含まれる用語の意義(又は複数の要素B〜Dに共通に用いられている用語の意義)の解釈が、争点になることが多いのです。
 この用語の意義の解釈により、A=a、B=b、C=cであるが、要素Dがイ号の要素dと同一となったり異なったりする訳です。
 このような場合、要素Dの文字面だけでなく、発明全体を参酌して、争点となっている用語の意義を解釈して、イ号が特許発明の技術的範囲に含まれるか否かを判断する必要があります。
 裁判所では、4つの基準
「特許請求の範囲基準の原則」,「発明の詳細な説明参酌の原則」,「公知技術の参酌」,「出願経過の参酌」
 を用いて判断いたします。
積極的基準:原告の立証
(1)特許請求の範囲基準の原則:
 特許発明の技術的範囲は、願書に添付した特許請求の範囲の記載に基づいて定めなければならない(特許法70条1項)
 つまり、特許請求の範囲に記載のA+B+C+Dで構成される発明のみの技術的範囲を問題にします。
 したがって、A+B+C+Dで構成される広い発明を発明の詳細な説明中に記載しながら、A+b+c+dという狭い発明を特許請求の範囲に記載したときは、狭い発明でもって技術的範囲が認定されます。
 したがって、狭い構成要素A+b+c+dに基づいて、イ号との要素対比を行うわけです。
  *関連判例:
  @フェノチアジン誘導体事件(最高裁S47判決-S41年(行ツ)1号
  A繊維分離装置事件(大阪地裁S61判決-S60(ワ)3515号
 また、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とが矛盾する場合は、特許請求の範囲の記載が優先します。

(2)発明の詳細な説明参酌の原則:
 要素対比法において、上記用語の意義が他の解釈の余地が無いほど特許請求の範囲に明確に記載されている場合には、上記特許請求の範囲基準の原則(特許法70条1項)に基づいて、技術的範囲は特許請求の範囲の記載のとおり認定します。
 そうでない場合には、法は、特許法36条4項,6項(サポート要件、実施可能要件)の趣旨に基づき、
「願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮して、特許請求の範囲に記載された用語の意義を解釈するものとする(特許法70条2項)」旨規定し、発明の詳細な説明を参酌して判断するように促しております。
*関連判例:
 @台紙帳事件(大阪高裁H5判決-H4(ネ)595号)
 A図形表示装置事件(東京地裁H17判決-H15(ワ)23079号
 Bオール事件(最高裁S50判決-S50(オ)54号

<参酌方法>
……以下、弁理士高瀬彌平先生の「特許権侵害訴訟判決ガイド」(改訂2013年2月28日)を参考にさせていただきました。なお、高瀬彌平先生の解釈とは異なる部分もあるかもしれませんので、ご了承ください。
□ 発明の詳細な説明には、大別すると、次のT〜V事項が、記載されており、また記載されているとみなされます。
T事項=特許請求の範囲記載の発明を一般的に説明した部分(【発明が解決
    しようとする課題】、【課題を解決するための手段】、【発明の効
    果】)に記載された技術的事項、
U事項=【発明を実施するための形態】(実施例)に記載された技術的事項
V事項=出願時の自明事項。具体的には、出願当時の当業者にとって技術的
    に自明な事項、すなわち、当業者であれば当然有する技術的常識や
    当業者にとって周知慣用の技術的事項
□ 各技術的事項の発明の範囲は通常、T>Uです。
□ 先ず、T事項から用語の意義を解釈し、技術的範囲を特定します。
  ここでは、【発明が解決しようとする課題】に記載されている発明の
  目的と、【課題を解決するための手段】に記載されている発明の構成
  と、【課題を解決するための手段】及び【発明の効果】に記載されてい
  る発明の作用及び効果とを参酌して、問題となっている用語の意義を判
  断します。【課題を解決するための手段】に記載の構成が、特許請求
  の範囲の記載と同一の場合には、記載されている目的と作用及び効果と
  を参酌して、用語の意義を判断します。
 かかる事項で特定された範囲は、特許請求の範囲と同じ広さか、若干狭く
 なる可能性があります。なお、特定された範囲が、特許請求の範囲よりも
 広いときは、上記特許請求の範囲基準の原則により狭く限定されます。
 *関連判例:
  @オール事件(最高裁S50判決-S50(オ)54号
  A燻し瓦事件(最高裁H10判決-H6(オ)2378号
  B換気装置の管接続構造事件(東京地裁H17判決-H16(ワ)20335号
  Cスロツトマシン事件(東京地裁H17判決-15(ワ)2644号
  Dキャスター付き鞄事件(大阪地裁H17判決-H16(ワ)14709号
  E施工面敷設ブロック事件(知財高裁H17判決-H17(ネ)10103号
  F土砂流出防止用フィルター事件(名古屋高裁H6判決-H3(ネ)789号)
  G台紙帳事件(大阪高裁H5判決-H4(ネ)595号)
  H自動保温容器事件(大阪地裁S56判決-S54(ワ)1156、S55(ワ)1194)
  Iスパイラル紙管製造機事件(東京高裁S50判決-S48(ネ)2395号
  J頭髪処理促進装置事件(大阪地裁H17判決-H15(ワ)13703号
  Kウインドサーフィン事件(東京高裁H3判決-H2(ネ)2780号)
  Lエアロゾル製剤事件(大阪高裁H14判決-H13(ネ)3840号
  M多関節搬送装置事件(東京地裁H19判決-H15(ワ)16924号
□ Tの事項で、明らかにならない場合には、U事項から用語の意義を解釈
  し、技術的範囲を特定します。かかる事項で特定された範囲は、実施例
  や変形例の範囲に限定される可能性があります
 *関連判例:
  @患者移動機事件(東京地裁S60判決-S58(ワ)1689号
  A情報処理装置(アイコン)事件(知財高裁H17判決-H17(ネ)10040
  B版下デザイン装置・方法事件(東京高裁H15判決-H12(ネ)4200号
  C人工ダイヤモンド製造装置事件(東京地裁S59判決-S55(ワ)429号)
□ Tの事項とUの事項とをもってしても、争点の用語の意義が明らかにな
  らない場合には、V事項から用語の意義を解釈します。
  つまり、出願時の技術的常識等から、争点の用語に対応するイ号の
  要素が、争点の用語に含まれるかを判断します。
 *関連判例:
  @アルファカルシドール事件(大阪2地裁H4判決-H2(ワ)6159号)
  Aヒト組織プラスミノーゲン活性化因子事件
              (大阪地裁H3判決-S62(ワ)7956号)
  Bウインドサーフィン事件(東京高裁H3判決-H2(ネ)2780号)
  C情報処理装置事件(東京地裁H16判決-H15(ワ)18830号
□ 以上のように、TとUとVの技術的事項をもってしても、発明の技術的
  意義が理解できない場合には、その権利は、記載不備(特許法36条
  4項6項違反)の無効理由を有していることになります。
消極的基準:被告の立証
上記のように、特許請求の範囲基準の原則や発明の詳細な説明参酌の原則に基づいて、イ号が特許発明の技術的範囲に含まれると、判断される場合であっても、次の2つの基準のいずれかの適用によって、イ号が特許権侵害とならない場合があります。

(3) 公知技術の参酌:
 この基準は、「公知技術の参酌」というよりも、「無効理由の参酌」
 基準と考えた方が、解りやすいかもしれません。
□ 従来は、三権分立の原則により、特許庁の特許無効審決が確定しない限
 り、裁判所はたとえ明らかな無効理由がある特許であってもこれを有効な
 ものとして取り扱わなければならないとされていました。
  このため、従来の裁判所においては、無効理由を含まないように(無効
 理由を含む範囲を除外して)、技術的範囲を限定解釈しておりました。
  例えば、イ号が出願時の公知技術である場合には、特許発明は、新規性
 欠如の無効理由を含むことなります。裁判所は、この無効理由による特許
 の無効性については判断せず、出願時の公知技術の範囲を技術的範囲から
 除外して、イ号は、技術的範囲に属しないと判断します。
  *関連判例:
   @炭車トロ等における脱線防止装置事件
              (最高裁S37判決-S36年(オ)464号
   A液体燃料燃焼装置事件(最高裁S39判決-S37(オ)871号
□ 従来の限定解釈は、新規性欠如(29条1項各号)、先願性欠如(3  9条、29条の2)の無効理由に適用されましたが、進歩性欠如や記載不
 備等の無効理由には適用されたり、されなかったり、まちまちだったよう
 です。
  *関連判例:
   @液体燃料燃焼装置事件(最高裁S39判決-S37(オ)871号
               …新規性欠如
   A魚卵採取装置事件(最高裁H9判決-H5(オ)2202号)
               …特許法29条の2違反
   B飲用水ポット事件(東京地裁S55判決-S54(ワ)2557号)
               …特許法39条違反
□ しかし、無効理由を判断しないとする従来の裁判所の手法は、キルビー
 275特許事件に対する最高裁判決よって改められました。
  つまり、最高裁は、特許に明らかな無効理由がある場合は、権利行使は
 権利の濫用として許されないと判示し、従来の判例を変更して、裁判所が
 特許の有効性を判断することを認めました。
  勿論、無効理由の種類には制限がなく、全ての無効理由が対象となりま
 す。上記最高裁判決では先後願(39条1項)、その後の地裁判決では新
 規性、進歩性、29条の2、記載不備等様々な無効理由が対象となってい
 ます。
  *関連判例:キルビー275特許事件(最高裁H12判決-H10(オ)364号
□ 上記のような最高裁判決に基づく権利行使制限が適用されるためには、
 被告が「無効理由があることが明らか」であることを主張・立証する必要
 があり、被告によっては、大きな負担となります。
  そこで、特許法は、平成17年4月に法104条の3を施行し、「特許
 権又は専用実施権の侵害に係る訴訟において、当該特許が特許無効審判に
 より無効にされるべきものと認められるときは、特許権者又は専用実施権
 者は、相手方に対しその権利を行使することができない。」と規定しまし
 た。
  これにより、被告は、特許が特許無効審判により無効にされるべきもの
 と認められる事を主張・立証すれば足り、「無効理由があることが明らか
 」であることまで主張・立証する必要はなくなりました。
  *関連判例:
   @石製灯籠用扉事件判決(神戸地裁H18判決-H16(行ウ)29号
               …104条の3第1項関係
   A情報処理装置事件(知財高裁H17判決-H17(ネ)10040号
               …104条の3第1項及び第2項関係
   Bナイフの加工装置事件(最高裁H20判決-H18(受)1772号
               …104条の3第2項関係

(4)出願経過の参酌:

 出願手続時に、特許請求の範囲から意識的に除外する等、技術的範囲に属しないことを承認するか,又は外形的にそのように解されるような手続き事項について,特許取得後にこれと反する主張をすることは,民法の信義誠実の原則に反するので、認めることはできない(包袋禁反言;file wrapper estopel)
 従って、イ号が上記積極的基準から技術的範囲に属し、しかも特許に無効理由がない場合であっても、イ号が補正等によって意識的又は外形的にみて除外されている場合には、イ号が特許権を侵害していると主張することは、認められない。

□<類型
:弁理士高瀬彌平先生の「特許権侵害訴訟判決ガイド」(改訂2013年2月28日)を引用
(1)第三者から見て、外形的に特許請求の範囲から除かれたと解される
   行動をしたことを重視する。出願人の主観的意図は参酌しない。
   *関連判例:放熱シート事件(大阪地裁H21判決-H18(ワ)11429号
(2)拒絶理由通知に対し、クレームを補正しないで意見書で相違点を主
   張しただけでも包袋禁反言の対象になる。
    *関連判例:
    @中子成形機事件(大阪地裁S55判決-S53(ワ)952号)
    A伸縮脚の固定装置事件(東京地裁H16判決-H14(ワ)28217号
(3)拒絶理由を回避するために限定した事項や分割出願することにより
   削除した事項については、意識的に除外されたものと見なされる。
   *関連判例:
    @真柱建て込み工法事件(東京地裁H10判決-H8(ワ)1133号)
    A燻し瓦の製造法事件(東京高裁H14判決-H12(ネ)5355号
    Bエンドグルカナーゼ酵素事件
              (東京地裁H14判決-H12(ワ)26626号
(4)拒絶理由通知等に対し提出した書類で権利化の決め手になったもの
   だけが参酌される。
   *関連判例:
    @軽量耐火物事件(大阪地裁S62判決-S58(ワ)4025号)
    A電動式パイプ曲げ装置事件(大阪地裁H13判決-H10(ワ)12899)
(5)明細書の記載不備の拒絶理由に対する補正も参酌されるか
   これについての裁判所の判断は東京と大阪で分かれている。
   *関連判例:
    @交流電源装置事件(東京地裁H11判決-H9(ワ)22858号)
    Aヒト組織プラスミノーゲン活性化因子事件
             (大阪高裁H8判決-H6(ネ)3292号
(6)早期審査に関する事情説明書における陳述も参酌の対象となる。
   *関連判例:
    @階段構造事件(大阪地裁H15判決-H14(ワ)12752号
    A船舶の動揺軽減装置の制御方法事件
             (東京高裁H17判決-H16(ネ)3686号
(7)勇み足で必要以上の限定をした場合は回復できるか
   出願経過における出願人の限定的陳述のとおり解釈しないと新規性
   ・進歩性がない場合にのみ禁反言を適用し、出願人の陳述が新規性
   ・進歩性の拒絶理由を回避する為に必要でなかった場合には禁反言
    を適用しないという判決が大阪地裁で出ている。
    東京地裁でも、引用文献との相違と無関係な出願経過における出願
   人の陳述であって、明細書の記載とも矛盾する内容で、技術的範囲
   を限定解釈することを否定した判決が出ている。
   *関連判例:
    @包装体事件(大阪地裁H8判決-H6(ワ)2090号)
    A注射方法事件(大阪高裁H13判決-H11(ネ)2198号
    B置棚事件(大阪高裁H19判決-H16(ネ)2563号
    C使い捨ておむつ事件(東京地裁H19判決-H17(ワ)6346号
(8)原出願の当初明細書・図面に開示されていなかった技術的事項は、
   分割出願に係る特許発明の技術的範囲から除かれる。
   *関連判例:
    @コンクリートセパレータ事件(大阪地裁H4判決-H1(ワ)7601)
    A帆立貝事件
        (東京地裁H11判決-H10(ワ)8345号、H10(ワ)17998号)
    B止め具事件(知財高裁H17判決-H17(ネ)10050号
(9)分割出願の基になった原出願の審査経緯の参酌
   分割出願のクレームと原出願のクレームが共通の構成要件を持つ場
   合、その構成要件の解釈に際して、基になった原出願の審査経緯を
   参酌することもある。
   *関連判例:
    @撰別機事件(最高裁H10判決-H9年(オ)2141号)
    Aテレホンカード事件(東京地裁H12判決-H11(ワ)24280号
    Bサーマルヘッド事件(京都地裁H11判決-H8(ワ)1597号
    Cゴーグル事件(大阪地裁H19判決-H17(ワ)12207号
(10)変更出願の際の出願経過も参酌される。
   *関連判例:
    @磁気テープ等用リール事件(東京地裁S61判決-S56(ワ)14273)
(11)並行して審理中の特許無効審判における特許権者の陳述の参酌
   特許無効審判の経過の参酌は、通常は特許権者の主張が受け入れら
   れて請求が退けられた場合に参酌するのであるが、侵害訴訟と並行
   して審理中の特許無効審判における特許権者の主張を参酌して限定
   解釈した判決が出ている。
   *関連判例:
    @連続壁体の造成方法事件(東京地裁H12判決-H10(ワ)25701)
    A誤り訂正実行/検出手段事件
                (大阪地裁H14判決-H12(ワ)8883号)
(12)訂正審判(訂正請求)の経緯の参酌
   訂正審判(訂正請求)は、特許無効審判への対抗手段としてなされ
   ることが多いが、その過程でなされた訂正や意見は包袋禁反言の対
   象となる。
   *関連判例:
    @筆記具のインキ筒事件(大阪地裁H13判決-H6(ワ)7116号
(13)新規事項または要旨変更とされた事項は技術的範囲に含まれない
   出願当初明細書に記載していない技術的事項を特許請求の範囲に追
   加する補正が要旨変更又は新規事項の追加とされた場合、最終的に
   成立した特許発明の技術的範囲は要旨変更又は新規事項とされた事
   項を含まないように解釈される。
   *関連判例:
    @通信端末装置事件(大阪地裁H24判決-H23(ワ)10712号
    A摩擦防止用内張り板事件(大阪地裁S60判決-S57(ワ)7841号)
(14)包袋禁反言は自発補正に対し適用されるか
   自発補正について争った裁判例は日本では見当たらないが、「たと
   え自発的に行った補正であってとしても、外形的に特許請求の範囲
   を限定した以上、特許権者が後にこれと反する主張をすることは、
   やはり禁反言の法理に照らして許されない」と判示した判決がある
   。米国のフェスト事件最高裁判決は、特許性に影響する補正は包袋
   禁反言の対象になると判示し、自発補正も対象となることを明らか
   にしている。
   *関連判例:
    @発泡樹脂成型品事件(東京地裁H22判決-H20(ワ)18566号)
    

まとめ
審査,審判,審決取消訴訟等の行政事件においては、リパーゼ事件の最高裁判決に見られるように、技術的範囲は、発明の詳細な説明を参酌せず、特許請求の範囲の記載のみで決定される。
つまり、技術的範囲を最大範囲にして、広く公知技術を見いだすことができるようにすることで、瑕疵ある特許の発生を未然に防止する共に、不当な権利の消滅を図っています。
*関連判例:リパーゼ事件(最高裁H3判決-S62(行ツ)3号
これに対して、特許侵害訴訟等の民事事件においては、上記したように、技術的範囲は、発明の詳細な説明等を参酌して、限定解釈されます。
つまり、技術的範囲を合理的に限定することで、権利の慎重な行使を促し、権利の濫用を防止しています。
*関連判例:
 @液体燃料燃焼装置事件(最高裁S39判決-S37(オ)871号
 Aオール事件(最高裁S50判決-S50(オ)54号
 B施工面敷設ブロック事件(知財高裁H179判決-H17(ネ)10103号
 C数値制御自動旋盤事件(知財高裁H19判決-H18(ネ)10051号

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